メディア等でほとんど取り上げられていないために話題にはなっていませんが、世界中で排出されている化学物質”DHMO”。今回はその危険性についてご紹介したいと思います。
DHMOの特徴・危険性
水酸と呼ばれ、酸性雨の主成分である。
温室効果を引き起こす。
重篤なやけどの原因となりうる。
地形の侵食を引き起こす。
多くの材料の腐食を進行させ、さび付かせる。
電気事故の原因となり、自動車のブレーキの効果を低下させる。
末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。
その危険性に反して、DHMOは頻繁に用いられている。
工業用の溶媒、冷媒として用いられる。
原子力発電所で用いられる。
発泡スチロールの製造に用いられる。
防火剤として用いられる。
各種の残酷な動物実験に用いられる。
防虫剤の散布に用いられる。洗浄した後も産物はDHMOによる汚染状態のままである。
各種のジャンクフードや、その他の食品に添加されている。
DHMOは地球規模でその流れを調査しようという試みも行われています。しかしながらDHMOを規制しようという運動については、すぐに下火になってしまったようです。このような化学物質は規制されるべきであるように思いますが、皆さんのご意見はいかがでしょうか。
(※DHMOの特徴・危険性についてはWikipediaより引用ました。(https://ja.wikipedia.org/wiki/DHMO))
我々はどのようにしてだまされるのか
既にお気づきの方もいるとは思いますが、DHMOとは、DiHydrogen MonOxide の略で日本語で言うと一酸化二水素、化学式で表記するとH2O、つまり”水“のことです。これは”How Gullible Are We?”というテーマで1997年に当時中学生だったアメリカのネイサン・ゾナー君が行った調査で用いられたことが、”DHMOというネタ”が広まったきっけかのようです。”DHMO(=水)” に関する危険な部分のみを切り取って紹介することで人が騙されるか、というのを調査したわけです。この調査では大人50人に上記のような、DHMO(=水)に関するネガティブな情報だけを提供し、DHMOという化学物質を規制すべきか、という質問を行ったところ、43人は規制すべきだ、と回答したそうです。残りの6人は回答を保留、DHMOの正体を見破ったのはたった一人だったそうです。知っている人間からすれば当たり前の話なのですが、DHMOというネタを知らなかったり、化学物質に関する知識が少ない場合には騙されてしまうようです。
DHMOの話は笑い話では済まされない
DHMOの例は、水を大げさにネガティブに取り上げた例であり、ネタばらしをされれば騙されていたと分かる話ですが、これが他の化学物質だったらどうでしょうか。過去に危険な化学物質として挙げられていたものも実はそこまで害はなかった、という例も多くあるようです。例えば食品の焦げも発がん性がありますが、事実の一側面に過ぎません。通常の食事で食べる程度の量であれば問題にはならない、つまり相当量の焦げた部分を食べない限り大丈夫ということです。水に関してもDHMO (=水)も過剰摂取すると中毒死しますし、塩化ナトリウム(=塩)やお酒に含まれるエタノールや同様です。その他生命活動に必要な栄養でも過剰摂取すれば害になります。
このDHMOの話にはいろんな要素が詰まっていますが、重要な点は二つあります。一つは化学物質に対する考え方。オーガニックやボタニカルなどという言葉もあり、植物や天然に由来する化合物が体に良いというイメージがあります。しかしながら化学的に合成した化合物が一概に悪いわけではなく、天然由来の物でも体に悪い(毒性のある)化合物もいっぱいありますし、医薬品などは化学合成的に作られているものも多くあります。化学物質はよく分からないのでイメージで判断しがちですが、その考え方は危険だという点をDHMOは暗に示唆しています。
そしてもう一つ重要な点は情報リテラシー。幸いにも現代社会ではインターネットがあるので、様々な観点から情報を調べることができます。このDHMOについても調べれば、DHMOは水であり、この話はジョークの一種である、ということがすぐにわかります。世の中にあるものをネガティブに捉えようと思えばいくらでもできてします。このため、情報を発信する側が情報を取捨選択することで、意図的にネガティブに伝えることができてしまいます。DHMOの話も水だということを隠して、見事に水の性質をネガティブに伝えています。逆に言えばポジティブな内容で発信されている情報も同じで世の中そんなうまい話はありません。あの食べ物は体にいい食べ物だ、とテレビでやっていた翌日にはスーパーでその商品が売り切れている、という話はよく聞きますが、これも似たような話と言えます。その食べ物を食べるだけで健康になれる訳もなく、生活習慣を見直して栄養のバランスがいい食事をきちんと3食取ることが健康への近道でしょう。(もちろん、その食べ物を食べる習慣がなかったけど食べるようになった、という意味では効果があるかもしれませんが。)
今の時代ではテレビ・新聞だけでなく、インターネットから様々な情報が仕入れられる一方で、情報が余りに多くあるために、情報の取捨選択が必要になっているとも言えます。世の中にあふれる誤った情報に惑わされず、必要な情報や正しい情報に辿り着けるようにしていきたいものです。
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