エクスプレス予約と「グリーンプログラム」 必要なクレジットカードやポイントの貯め方について徹底解説! 

エクスプレス予約(EX予約)は東海道・山陽新幹線で利用できる予約サービスです。年会費が1,000円+税かかかりますが、指定席などを割安に予約できるため、出張や遠方への帰省などで活躍してくれます。さらにエクスプレス予約のサービスの中でグリーンプログラムというものがあります。

エクスプレス予約は間違いなく便利なサービスなのですが、利用するには年会費がかかるので敬遠されがちです。しかし、エクスプレス予約やグリーンプログラムをうまく活用すれば、割安で快適に新幹線の移動ができるようになります。

ここではエクスプレス予約とグリーンプログラムの仕組みとそのメリットについて紹介します。

エクスプレス予約について

エクスプレス予約は東海道・山陽新幹線で利用できるサービス。非常にメリットが多いので基本的に利用することをおすすめします。

大まかなメリットを上げると以下のものになります。

  • 新幹線指定席を割安に購入可能
  • 年末年始などの繁忙期でもお得に利用可能
  • 乗車日当日列車発車時刻の4分前まで予約可能
  • 購入後、予約変更は予約した列車発車時刻前までなら何度でも変更可能&手数料無料(初回購入日から3か月以内の乗車日まで変更可能)

この中でも特に凄いのが、新幹線指定席の割引価格。

東京ー新大阪の正規料金は指定席で14,450円ですが、エクスプレス予約を利用した場合13,370円となります。その差額は1,080円でエクスプレス予約の年会費にあたります。

このため、年に一度でも東京ー新大阪間を指定席で利用すれば元が取れてしまいます。往復ならもっとお得です。

また正規料金の東京ー新大阪の自由席の正規料金は13,620円なので、自由席に普通に乗るよりもエクスプレス予約で指定席に乗車した方が安くなります。

このため、頻繁に新幹線で移動する方はエクスプレス予約を利用した方がほとんどのケースでお得になります。

往復割引もある
エクスプレス予約は往復割引のサービスもあります。利用できるのは片道の営業距離が601km以上の区間です。

東京ー広島間でエクスプレス予約を利用する場合、片道で購入すると17,660円ですが、往復割引を利用して購入すると片道16,290円となり、1,370円も割引になります。長距離区間の往復で利用する場合はかなりお得なので必ず往復割引を利用しましょう。

会員は二種類ある

実はエクスプレス予約には二つの会員種別があります。会員種別が違っても料金体系は同じですが、後述するグリーンプログラムの部分で差があります。

エクスプレス・カード会員

エクスプレス・カード会員はいわゆる本会員の方の位置づけになります。以下のいずれかのクレジットカードでEX予約専用ICカード(EX-IC)を発行して会員登録するとエクスプレス会員となります。

  • J-Westカード エクスプレス(年会費:1,000円+税)
  • JR東海エクスプレスカード(年会費:1,000円+税)
  • ビューカード(※)

(※:ビューカードの場合は、「ビュー・エクスプレス特約」(年会費1,000円+税)の申し込みとモバイルSUICAが必要)

この中でビューカードは種類が多く、ビュー・スイカカードだけでなく、JREカード、ビックカメラSuica、JALカードSuicaなどもあり、これらカードでもビュー・エクスプレス特約は利用可能です。

ビューカードの中でも特にお得なのでがビックカメラSuicaカードです。年一度以上の利用で年会費無料なのでエクスプレス予約を利用する場合は特約の1000円+税が実質年会費となり、J-WESTカードやJR東海エクスプレスカードと同額の維持費になります。

しかもビックカメラSuicaカードはポイント還元が1.0%(JREポイント0.5% + ビックポイント0.5%)と良いので、J-WESTカードやJR東海エクスプレスカードの還元率0.5%よりもお得。

ビュー・エクスプレス特約で1,000円+税はかかりますが、クレジットカードの年会費が実質無料かつエクスプレス予約で1.0%の還元率のカードも他にないため、モバイルSuicaが利用できるのであればビックカメラSuicaカード一択と言ってもよいでしょう。

なおJALマイラーなら、年会費はかかりますが、JAL Suicaカード+ショッピングマイル・プレミアムでJALマイル還元率1%なので、こちらも有力です。

プラスEX会員

プラスEXは、手持ちのクレジットカードに”プラス”してエクスプレス予約を利用する、という形になります。上記の三つ以外の手持ちのクレジットカードでEX-ICを発行して会員登録するとプラスEX会員となります。発行できるクレジットカード会社が決まっているものの幅広い会社と提携しているので自由度が高いです。提携しているクレジットカード会社は以下の通り。

  • 三井住友カード
  • JCB
  • アメリカンエキスプレス
  • 三井住友トラストクラブ
  • 三菱UFJニコス
  • セディナ
  • イオンフィナンシャルサービス
  • トヨタファイナス

各カード会社の会員専用のWebサービスなどから申し込むことが可能になっています。

申し込むとEX予約専用ICカード(EX-IC)が届きます。この後に情報登録を済ませてEX予約の会員になるとエクスプレス予約のサービスが利用できるようになります。ただし、後述するグリーンプログラムは利用できません。

グリーンプログラムについて

新幹線にエクスプレス予約をして乗車すると、利用距離に応じてポイントが貯まる仕組みです。貯まったポイントは「グリーン特典」として利用でき、エクスプレス予約で指定席予約の際にポイントを消費してグリーン車にアップグレード可能になります。

プラスEX会員は対象外

グリーンプログラムは残念ながら、プラスEX会員は対象外になっています。このため、グリーンプログラムのポイントを貯めたい場合は、J-Westカード、JR東海エクスプレスカード、ビューカードのいずれかのカードの発行は必須になります。

ポイントはエクスプレス予約で新幹線を予約して乗車すると付与される

グリーンプログラムのポイントはエクスプレス予約で購入した分に対してポイント付与されます。このため、エクスプレス会員でもみどりの窓口などで切符を購入して乗車した場合はポイントが付与されません。

また、新幹線に乗車する以外にポイントを貯める方法はないので、裏技的にポイント数を増やす方法も存在しません。なので、普通にエクスプレス予約を利用した中で貯まったポイントが蓄積されていくことになります。

距離に応じて付与されるポイントが変わる

ポイントは乗車距離に応じて付与される量が変わります。乗車距離が長いほどポイントが多く貯まりますが、短い区間でもそれなりに貯まるような仕組みになっています。

以下に代表的な区間で貯まるポイント数を書いておきます。

  • 東京ー名古屋:50ポイント
  • 東京ー新大阪:90ポイント
  • 東京ー広島:130ポイント
  • 東京ー博多:150ポイント
  • 名古屋ー新大阪:20ポイント
  • 新大阪ー岡山:20ポイント
  • 新大阪ー広島:50ポイント
  • 新大阪ー博多:110ポイント

ポイントの還元率は利用する区間でかなり影響を受けますが、東京ー新大阪間で計算すると13,370円に対して90ポイントが貯まるので、0.67%のポイント還元率になります。

各区間のポイント数についての詳細はこちらのEX予約のページをご確認ください。

ポイントでグリーン車にアップグレードできる

新幹線の乗車で貯めたポイントを使うことで指定席からグリーン車のアップグレードが可能になります。

正確に言うとアップグレードではなく、所定のポイントが貯まるとエクスプレス予約でグリーン特典の予約が可能になります。指定席と同じ値段でグリーン車に乗車できるため非常にお得感があります。

グリーン特典で利用できる席数は限りがある

グリーン特典では、利用できる席数が列車ごとに設定されているため、グリーン車に空席があってもグリーン特典が利用できない場合があります。 混雑している時期や列車ではグリーン特典の空席がないい可能性も高くなるので注意が必要です。

グリーン特典を利用するためのポイントは以下の通り

  • のぞみ:1,000ポイント
  • ひかり:800ポイント
  • こだま:600ポイント

乗車する列車によって必要なポイントが数が変わる仕組みです。ちなみにのぞみーこだまという形で列車を乗り継ぐ場合はポイント数の高い方(この場合はのぞみの1000ポイント)のポイントが適用されます。

ポイント数は列車によってのみ変わるので、利用距離が長いほどお得に利用できます。

利用できる最長区間は東京ー博多間でEX予約往復割引を使えば、のぞみ指定席 片道19,730円になります。のぞみグリーン車の場合は片道26,210円となるのでその差額は6,480円! のぞみ指定席と同じ値段+1,000ポイントでのぞみグリーン車を予約できるので、1ポイント=6.48円となり、非常にお得に利用できます。

もちろん、このパターンは一番お得なものを選んで計算しているので、一般的な東京ー新大阪間で使った場合でポイントの価値を計算すると1ポイント=4.77円となるのですが、これでも結構お得です。

ポイントの有効期限が短いことに注意すべし

グリーンプログラムのポイントは比較的有効期限が短いです。有効期限はポイントを獲得した年の翌年の6月末日までとなります。

例えば、2019年1月に獲得したポイントは2020年の6月に失効しますし、2019年の12月に獲得しても2020年の6月末日で失効します。なので、最長で1年半、最短で半年の有効期限になるので注意が必要です。

一応、6月末までにグリーン特典を使えるポイント数が溜まっている場合は、グリーン特典で7月の列車に予約を入れておくことで少しばかり期限を延長できます。

予約変更は3か月先まで可能なので最大3か月先まで引き延ばすことは可能ですが、7月以降にキャンセルすると失効予定だったポイントはそのまま消滅しますので、予定があれば先に入れておく程度の技です。

グリーンプログラムはヘビーユーザー向け

一番利用頻度の高いと思われる「のぞみ」でグリーン特典を利用するには1,000ポイント必要かつ、ポイント有効期限が短いことを考えるとグリーンプログラムは新幹線のヘビーユーザー向けのサービスとして捉えることができます。

東京ー新大阪の6往復で1080ポイント貯まり、やっと一回のグリーン特典が利用できるようになるので、実は結構ハードルが高いです。出張などでガンガン新幹線を利用している人にとっては普通の回数かもしれませんが、旅行だけでは流石にここまで乗りません。

このため、出張で新幹線の利用が多い方はグリーンプログラムの対象となるエクスプレス・カード会員がおすすめですが、ライトユーザーは自分の持っているクレジットカードでプラスEX会員になり、自分の貯めたいポイントを貯めた方がお得なパターンが多いです。

エクスプレス予約のサービスは少し複雑ですが、新幹線の利用頻度に合った方を選択することで、少しでもお得に新幹線を利用することができるようになります。

2 件のコメント

  • BICSuicaのポイントは正確には JREポイント0.5+BICカメラポイント0.5の計1.0%ですね。
    またJALSuicaカードのショッピングプログラム加入ならJALマイルで1.0%になりますね。
    年会費2,160円+加入費で3,240円の計5,400円かかりますが。
    まあ、JALカード決済でマイル貯め中なら一石二鳥でしょう。
    ViewカードはJR東日本のSuica・乗車券等なら1.5%ですが、JR東海扱いは0.5%になって
    「ケチだね」感が出ますね。
    今後モバイルスイカ廃止後の体系がどうなるか、楽しみですね。

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