ANA VISAワイドゴールドの還元率が1.35%に低下! 次の最強ANAカードはANA VISAプラチナなのか?

ANA VISA ワイドゴールドカードは年会費10,450円+税で最大1.648%のANAマイル還元率をたたき出せる陸マイラーに人気のカードです。

年会費も比較的安いにもかかわらず、マイルの還元率が高く、コストパフォーマンスの良いカードです。

しかしながら、この還元率も今年までです

2019年12月から還元率は段階的に下がり、2021年2月からは還元率1.35%にまで低下します。

この1.35%という還元率はANA VISA一般カードやANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカードも同じ還元率になります

このため、ANA VISA ワイドゴールド還元率でのメリットがなくなります。

この記事ではANA VISAワイドゴールドカードの還元率の変化について解説し、代替策をご紹介したいと思います。



ANA VISA ワイドゴールドの還元率が高い理由

まずは、現状のANA VISA ワイドゴールドカードの還元率が最大1.648%という高い数値である理由を解説します。

ANA VISA ワイドゴールドの通常の還元率は1%ですが、ボーナスポイントをうまく活用することで還元率を上げられます。

ボーナスポイントを獲得して最大還元率1.648%をたたき出すためには以下の条件が必要でした。

  1. マイペイすリボで手数料を発生させてボーナスポイント獲得
  2. 前年度に300万円以上利用してステージV3となり、ボーナスポイント獲得
  3. ボーナスポイントをソラチカルートでANAマイルにする

これらの条件がすべて揃うことで還元率1.648%が成り立っていました。

それぞれの条件について少し説明をしておきます。

マイペイす・リボによるボーナスポイントを獲得する方法

三井住友カードのリボ払いサービス「マイペイす・リボ」では、(金利)手数料が発生するとボーナスポイントが獲得できる制度があります

この制度をうまく利用して、手数料を最小限に抑えてボーナスポイントをかすめ取る方法があります。

リボ払いの手数料の発生があれば、その月の支払いに全額に対してボーナスポイントが発生します。

例えば、681,00円の支払いがある場合はリボ払い手数料が1円でも発生していれば、全額に対してボーナスポイントが獲得できます。

ANA VISA ワイドゴールドのポイント還元の仕組みは1,000円につき1ポイントのワールドプレゼントのポイントが貯まる制度です。例えば、681,00円の支払いなら、68ポイントが獲得できます。

このポイントは1ポイント=10マイルでANAのマイルに交換できるので、還元率は通常であれば1%。ですが、リボ払い手数料が発生した月にはこれとは別にボーナスポイントとして付与されます

リボ払いの発生によるボーナスポイントは1,000円につき1ポイントです。例えば、681,00円の支払いなら、68ポイントの通常のポイントに加えて、68ポイントのボーナスポイントが獲得できます。

つまりリボ払いによってポイントの付与は2倍になるのですが、残念ながらボーナスポイントは1ポイント=10マイルでの交換ができません

このポイントは1ポイント=3マイルでの交換になりますが、ソラチカルートを通すことで1ポイント=4.05マイルで交換可能です。(後ほど詳しく説明します)

リボ払いの手数料を抑えるためには、請求額より少し少ないリボ払いの支払額にしておく必要があります。(リボ払い手数料は年利15%なので、残額が多いと手数料の支払いが高額になって損をします。)

三井住友カードでは月々のカード請求額が確定後に、リボ払いの支払い額の増額申請がweb上(Vpass)で可能になっています。しかも支払額の増額は1,000円単位で可能です。

このため、1,000円程度支払いきれないようにリボ払い額を増額することでわずかにリボ払いの手数料が発生するように調整することが可能になっています。

これにより、リボ払い手数料をほとんど支払うことなく、マイルの還元率を底上げすることが可能になっているわけです



ステージV3となり、ボーナスポイント獲得する方法

こちらは前年度の利用額に応じたボーナスポイントが貰える制度です。

前年2月~本年1月での利用額で本年2月~翌年1月のステージが決まり、ステージに応じたボーナスポイントが獲得できます。

ステージは「V1」、「V2」、「V3」となっており、最も多くのボーナスポイントが獲得できるのが、「V3」です。

「V3」を獲得するには前年2月~本年1月での利用額が300万円以上のカードの利用が必要です。

「V3」になるとカード利用額が50万円に到達すると300ポイントのボーナスポイントが、以降は10万円ごとに60ポイントのボーナスポイントがが獲得できます。

つまり、1,000円につき0.6ポイントがボーナスポイントとして獲得できる計算になります。

ボーナスポイントをソラチカルートでANAマイルに交換

上の二つのボーナスポイントを合わせると、1,000円につき1.6ポイントのボーナスポイントを獲得できます。ボーナスポイントをそのままANAのマイルに交換すると1ポイント=3マイルの交換になります。

これでは還元率は1% + 1.6% ×0.3 = 1.48%にしかなりません。

しかし、交換の方法を工夫することでANAマイルへの交換レートを上げることができます。

ワールドプレゼントのポイントはGポイントが交換可能であることを利用して、ボーナスポイントをソラチカルートに乗せて交換すると、なんと1ポイント=4.05マイルで交換できます。

GポイントからLINEポイントを経由してメトロポイントに交換して、ANAマイルに交換することで交換レート81%の交換となります。

これによってANA VISAワイドゴールドの還元率は 1% + 1.6% × 0.405 = 1.648% となります

以上がANA VISAワイドゴールドの最大還元率を出すための方法でした。

しかし、これからはこの前提条件が変わってしまい、還元率が低下することが確定しています



ソラチカルートの終了に伴い還元率が1.56%に低下

ソラチカルートが2019年12月27日で終了することに伴い、ANA VISAワイドゴールドのマイル還元率は1.56%まで下がります。

ソラチカルートの終了については以下の記事で解説しています。

ソラチカルートが終了します 代替策はANA TOKYUルート

2019年9月30日

ソラチカルートの終了でボーナスポイントをANAのマイルに交換するレートが下がり、ANA VISAワイドゴールドの還元率も低下することになります。

ソラチカルート終了後、最も交換レートの有利な交換方法はJQみずほルートを利用した方法です。

このルートであれば、ボーナスポイントを1ポイント=3.5マイルで交換できます。

このため、ANA VISAワイドゴールドの 1% + 1.6% × 0.35 = 1.56%へと低下します

2021年2月からはV1~V3のボーナスポイント終了で還元率が1.35%に低下

三井住友カードのV1~V3のボーナスポイント付与は2021年1月で終了することが確定します。

具体的には以下のようなスケジュールとなっており、2021年2月からはV1~V3という制度自体がなくなります。

2021年1月まではV1~V3のステージによるボーナスポイントはあります。しかし、2021年2月からはこのステージ制度がなくなるため、ステージの判定はされません。

これからANA VISA ワイドゴールドを発行する方は還元率1.35%
V1からV3のステージは前年の利用額に応じて決まる仕組みです。

このため2020年度に最大還元率を出すためには(ステージV3の恩恵を受けるためには)、2020年1月までにANA VISA ワイドゴールドカードを300万円以上利用する必要があります。

300万円の利用額を達成すれば2020年度は還元率1.56%で利用できますが、2,3か月で300万円以上利用するのは現実的ではないでしょう。

なので、これからANA VISA ワイドゴールドを発行しようと検討されている方は還元率は1.35%と考えて発行するか決めましょう。

利用額に応じたボーナスポイントがなくなるため、還元率を上げられるのはリボ払いで獲得できる1,000円につき1ポイントのボーナスポイントとなります。

このため、2021年2月以降の還元率は 1% + 1% × 0.35 = 1.35%となります



ANA VISA ワイドゴールドのメリットは小さくなる

これまではV1~V3のボーナスポイントがあったので、ANA VISA ワイドゴールドの還元率が優秀だったわけですが、今後はそのボーナスポイントがなくります。

V1~V3のステージ制度がなくなる2020年2月以降はANA VISAカードやANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカードもマイペイすリボで金利を発生させることで1.35%になります

このため、ANA VISAワイドゴールドとANA VISA一般カードとの間には還元率に差はなくなります。

このため、SFCカード用やANA ゴールドカードの特典を利用していなければ、ANA VISAワイドゴールドカードの必要性がなくなります。

ANA VISAプラチナなら最大1.85%の還元率

ANA VISAワイドゴールドカードの還元率が下がるため、今度は還元率の高いANA VISAプラチナプレミアムカード(ANA VISAプラチナカード)の価値が相対的に上がったと言えます。

年会費は8万円+税と非常に高額ですが、ソラチカルートが終了しても最大1.85%の還元率をたたき出せます

ANA VISAプラチナカードもポイント還元自体は1,000円につき1ポイントですが、このポイントが1ポイント=15マイルで交換できます。

これにより通常の利用だけでもマイル還元率が1.5%もあります。

そして、リボ払いによるボーナスポイントで1,000円につき1ポイントのボーナスポイントもしっかり獲得できます。

ボーナスポイントはJQみずほルートを利用すれば、1ポイント=3.5マイルで交換できますので、合計すると還元率は1.85%となります。



ANA VISAプラチナは年会費が高い

しかし、還元率だけで元を取ろうとするとANA VISAプラチナカードの年会費は高すぎます

ANA VISAワイドゴールドは9,500円+税ですが、ANA VISAプラチナカードの年会費は80,000+税です。

還元率0.5%のアップに対して、年会費は70,000円アップとなり、コストパフォーマンスは悪いと言えるでしょう。

ちなみに、還元率の増分だけで年会費増分の元を取ろうと思うと(1マイル=2円として計算すると)、年間700万円の利用額が必要になります。

もちろん、プラチナカードとしての特典もあるのでうまく使いこなせればよいと思いますが、単純な還元率と年会費の比較で考えると年会費の方が高くつきます。

実はお得なANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード

各種改悪によってANA VISAカード全般のマイルの還元率が下がってしまったことを考えると、年会費の安いカードを選択するのも有力な候補です。

中でもANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード(ANA TOKYUカード)はTOKYUルートが使えるため、非常におすすめです

ソラチカルートの封鎖によって、これからはTOKYUルートでANAのマイルを貯める方法が主流になります。

そしてTOKYUルートを利用するためには、ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカードを保有しておく必要があります。

TOKYUルートの詳細は以下の記事で解説しています。

交換レート75%で簡単にANAマイルが貯められるTOKYUルートが誕生!ラインポイントルートやニモカルートとの違いを解説!

2019年6月11日

ANA TOKYUカードは国際ブランドもMasterCardなのでメインで決済するカードとしても使いやすいので、一石二鳥です。

還元率もリボ払いによる底上げで1.35%、しかも年会費はリボ払いの利用で751円+税まで抑えられるので非常にお得です

(ただし、マイル移行手数料で年間6,000円+税がかかります。二年に一回の移行にすれば移行手数料を半分にできるので、マイルに交換する際はまとめて交換すると少しお得です。)



リボ払いしないなら、還元率1.25%のSPGアメックスも最も有力な代替策

リボ払いによる還元率の底上げがない場合はANA TOKYUカードだと基本的に還元率は1%となります。

なので、リボ払いしてまで還元率を上げたくない方にとっては還元率としては普通であり、少し不満があるかもしれません。

そこでおすすめなカードがSPGアメックスになります

200万円の利用で60,000ポイントが貯まり、これをマイルに交換すると25,000マイルになります。なので、マイル還元率としては1.25%となっており、使い勝手は良いです。

また、ANAマイルだけでなくJALやその他の航空会社のマイルにも同様のレートで交換できるのでオールマイティーなカードになっています

SPGアメックスは年会費が31,000円+税とANA VISAワイドゴールドよりも高額ですが、しっかりと元が取れるようになっています。

無料宿泊特典で年会費の元は取れる

SPGアメックスも年会費が31,000円+税と高額ではあります。しかし、年一回の無料宿泊特典が利用できます。

SPGアメックスでは年に一回マリオットボンボイのホテルに宿泊する権利が付与されます。宿泊できるホテルは50,000ポイント以下で宿泊できるホテルです。

実はこの50,000ポイント以下で宿泊できるホテルというのが、一泊3万円以上はするグレードの高いホテルも多くあります

なので、無料宿泊特典を利用すれば年会費の元が取れるわけです。

もちろん、旅行も出かけないし、高級ホテルにも興味がなければ、ただただ年会費の高いクレジットカードになっています。

しかし陸マイラーだと旅行に出かける機会も多く、ホテルの宿泊で元を取るという方法も非常に有効です。

しかも、SPGアメックスに入会するとマリオットボンボイのゴールド会員に自動的になれます

SPGアメックスの無料宿泊特典でもゴールド会員の資格による特典は付帯しますので、よりお得にSPGやマリオット系列のホテルに宿泊できます。

良いホテルに泊まるつもりがあれば、メリットの方が大きいクレジットカードとなっています。

メリットの方が大きいかどうかについては、以下の記事が判断基準の参考になると思います。

友人にSPGアメックスの話をしたら、発行することに!? 年会費が高額なSPGアメックスを発行する決め手となったものとは?

2019年9月11日

一年目は入会特典で元が取れる

実は無料宿泊特典の権利は二年目以降に獲得できます。このため、1年目は年会費をそのまま支払う必要があります。

しかし、SPGアメックスは入会時の特典でボーナスポイントが獲得できます

SPGアメックスは入会キャンペーンを長い期間実施していますが、実は公式サイトから申し込むよりも既存のアメリカンエキスプレスのカード保有者からの入会の方がお得になっています。

SPGアメックスの公式ページからの入会特典は、「入会後3か月以内に10万円以上カード利用で30,000ポイント獲得」となります。このため、入会特典分と10万円利用分を合わせて33,000ポイントはすぐに獲得可能です。

しかし、SPGアメックスはアメリカンエキスプレスのカード保有者の紹介経由で入会すると、入会特典が「入会後3か月以内に10万円以上カード利用で36,000ポイント獲得」となります。10万円利用分と合わせると39,000ポイントが獲得可能です。

紹介を経由するだけ6,000ポイント分(=20万円利用分に相当)も多く獲得できます。

ちなみに35,000ポイントあれば、カテゴリー5というランクのホテルまで宿泊可能です。

国内にあるホテルも宿泊できるところが多くなるので、SPGアメックスの入会キャンペーンで手に入れたポイントで一年目の宿泊特典とすることができます

もし、紹介経由でのお申し込みを考えている方は下のお問い合わせフォームからご連絡ください。ご連絡をいただければ、SPGアメックスの紹介URLをご案内いたします。(アメックスの規約で不特定多数の人に紹介用のURLを公開することが禁止されているため、本ブログでは紹介URLを掲載しておりません。)

まとめ

ソラチカルートの終了、そして三井住友カードのステージ制度が終了することによって、ANA VISAワイドゴールドの還元率が1.35%に低下します。

2021年2月からはANA TOKYUカードでも1.35%の還元率になるので、ANA VISAワイドゴールドのメリットは縮小します。

還元率的にはANA VISA プラチナプレミアムカードの最大1.85%は魅力的ですが、年会費を考えるとコスパがイマイチです。

このため、年会費が安くてTOKYUルートを利用できるANA TOKYUカード(最大還元率1.35%)をメインカードとして有力候補の一つです。

また、マイル還元率1.25%で無料宿泊特典とマリオットゴールド会員が付いてくるSPGアメックスも有力なメインカードとなりそうです。



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