陸マイラー界では有名なANA スーパーフライヤーズカード(SFC)とそれを獲得するためのSFC修行。訳あって、今年に修行することをすでに年半ばを過ぎてから考え始めています。
修行の前にSFCカードのスペックと入会資格を再度確認してから、修行に必要な時間と費用を検証してみました。まずはSFCのメリットから。
目次
SFCによる特典
- 国際線プレミアムエコノミーへのアップグレード(2019年9月30日まで、以降廃止)
- ラウンジの利用
- アップグレードポイントによる座席にアップグレード
- SFC専用デスク
- 国内線座席指定の優先
- 予約時の空席待ち優先
- 国際線特典航空券の優先
- 優先チェックインカウンター
- 手荷物受取の優先
- 手荷物許容量の優待
- 専用保安検査場の利用
- 優先搭乗
- 空港での空席待ちの優先
- フライトボーナスマイル
- アップグレードポイントからANA SKYコインへの交換
ANAのホームページから主要そうな特典を挙げてみました。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/premium/service/sfc.html
SFCにより多くの特典が受けられそうですが、実際のメリットはいかほどか。非常に良い特典ばかりですが、特に活用できそうなのは①、②、④、⑥、⑦、⑧、⑨あたりでしょうか。
中でも①国際線プレミアムエコノミーへのアップグレードと②ラウンジの利用は海外に出張に行くときに絶大な効果になります。②に関してはSFCでスターアライアンスゴールド会員になれるので、海外の空港でも利用できるラウンジが増えます。(①に関しては、2019年9月30日までとなり、それ以降は①の特典は廃止となりました。残念。)
カード年会費
- ANA VISA SFC ゴールド 10,500円+税(マイペイすリボ&web明細登録の場合)
- ANA アメックス SFC ゴールド 31,000円+税
- ANA JCB SFC ゴールド 15,000円+税
- ANA ダイナース SFC 28,000円+税
ゴールド(相当)カードの年会費で比較してみました。
年会費がやや高めなのがSFCのデメリットですが、マイペイすリボとweb明細の恩恵でANA VISA SFCゴールドなら比較的年会費を抑えられます。これら以外にも一般カードのSFCと各国際ブランドのプラチナ(相当の)カードのSFCが存在しますが、個人的には年会費を抑制したいのでANA VISA SFCゴールド一択です。
入会資格
年会費的にはANA VISA SFCゴールドを選択すれば、そこまで大きな負担ではないのですが、SFC獲得の入会資格が一番の問題になります。ANAのホームページにしっかりと入会資格の記載があります。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/premium/sfc/
プラチナメンバー以上になるか、100万ライフタイムマイルの到達がSFC発行の条件です。100万ライフタイムマイル(LTマイル)を達成しようと思うと非常に多くのフライトが必要です国際線の中でも長距離フライトの成田-ニューヨークで片道6,723LTマイルです。往復で13,446LTマイル。成田-ニューヨークの往復だけで100万LTマイル達成するためには、75往復する必要があります。
ということでこれだけ飛行機に乗る方はおそらくプラチナメンバーかダイヤモンドメンバーなので、通常はプラチナメンバー以上になってSFCを発行する流れになります。
では、プラチナメンバーになるための条件はというと、、、
一年以内に50,000プレミアムポイント(pp)以上を獲得する、です。
プレミアムポイントというのはマイルとは別のもので、ANAやスターアライアンス運航便に乗ると貯まるもので毎年1月から12月でのみ有効です。つまり、1月~12月の間に50,000pp以上を獲得する必要があります。
50,000pp以上獲得した場合は翌年度はプラチナメンバーとなることができます。50,000pp獲得した直後からプラチナメンバーにはなれないように見えますが、プレミアムメンバー事前サービスというものがあり、これを利用して50,000ppを獲得した年でもSFCを発行可能です。
では、50,000ppというものをどうやって貯めるかですが、
ANAやスターアライアンスの運航便に乗りまくる
以上です。
マイルと違って飛行機に乗ることでしか貯めることができないので、抜け道らしい抜け道はありません。また、プラチナメンバーの資格を得るためには半分はANA運航便でppを獲得しなければなりません。ppは通常のマイルなどとは計算方法が若干異なるため、計算には注意が必要です。
ANAのHPやアプリでシミュレーションできるので、これを頼りに計算することになります。ネット上で調べた限りでは、1ppを獲得するためにはだいたい10円前後かかるというのが、陸マイラー界での共通認識となっているようです。ppを貯めるためだけに飛行機に乗りまくることが、修行と例えられる言われる所以ですね。SFC獲得のための修行なら、SFC修行、ダイヤモンドメンバー獲得のための修行ならダイヤ修行、といった具合です。
幸いにも今年、私は出張などで21,115ppをすでに獲得しています。残り、28,885ppを獲得すれば、プラチナメンバーになることができ、SFCも発行できるようになるわけです。ただし、1ppあたり10円かかるととすると、288,850円の出費です。。。
実際にシミュレーションしてみました
ということで費用とどんなフライトプランになるか、シミュレーションしてみました。私の場合は中部国際空港(NGO)起点の修行ルートになります。今主流の修行ルートはKUL海外発券などですが、日程なども考えると土日で可能な、SIN(シンガポール)タッチから検討してみます。
NGO-NRT-SIN, SIN-NRT-NGO という成田空港を経由してシンガポール単純往復のプラン。運賃はプレミアムエコノミーのSuper Value Plusで、120,190円。
ppの計算は、、、
NGO-NRT 国内線部分は運賃4に該当で
- 区間基本マイレージ 193マイル
- クラス・運賃倍率 100%
- 路線倍率 2倍
- 搭乗ポイント 0ポイント
→386pp
NRT-SINは予約クラスはYで、
- 区間基本マイレージ 3312マイル
- クラス・運賃倍率 100%
- 路線倍率 1.5倍
- 搭乗ポイント 400ポイント
→5,368pp
片道で5,753pp、往復で11,508ppを獲得可能です。pp単価は約10.4円です。
もう少し欲張ったプランならOKA(沖縄、那覇空港)-SINタッチ
NGO-OKA-NRT-SIN, SIN-NRT-OKA-NGO
ただし、現実的には旅程がかなり厳しいのがネックです。ちなみになぜ沖縄まで一回行くのかというと、国際線航空券の国内線区間は割安な料金にも関わらず、運賃区分4でppが稼ぎやすく、pp単価を抑えることができるためです。なので上記旅程は実際には、NGO-OKAの往復の国内線の航空券と、OKA-NRT-SIN,SIN-NRT-OKAの往復の国際線航空券を二つ購入して旅程をくっつける形になります。
NGO-OKAの区間を旅割45とした場合は運賃区分は7で
- 区間基本マイレージ 809マイル
- クラス・運賃倍率 75%
- 路線倍率 2倍
- 搭乗ポイント 0ポイント
→1,213pp
往復の運賃は28,920円
OKA-NRTの区間は国際線航空券の国内線部分となるので運賃4に該当で
- 区間基本マイレージ 984マイル
- クラス・運賃倍率 100%
- 路線倍率 2倍
- 搭乗ポイント 0ポイント
→1,968pp
NRT-SINは上記と同じで5,368ppになります。NGO-NRT-SIN, SIN-NRT-NGOの航空券の運賃は129,570円。以上から、片道で8,549pp、往復で17,098ppになります。運賃合計は158,490円なので、pp単価は約9.27円です。pp単価的には悪くないですね。
上のプランのSINタッチとOKA-SINタッチをそれぞれ一回行うと、28,606ppで若干(279pp)足りない! ですが、NGO-NRT以外の国内線区間をアップグレードできれば、50,000pp到達です。単価的にはやはり10円程度ですね。(国内線のアップグレードは運賃倍率が+50%になります。値段は事前で14,000円、当日は15,000円のようなので、pp単価は上昇してしまいますが、一回のフライトで獲得できるppが増やせるメリットはあります。)
OKA-SINタッチは航空券も取りにくいので別のプランを検討
NGO-NRT-SIN, SIN-NRT-CTS-NGO
のプラン。帰りに新千歳に寄ってから中部に飛ぶプランです。新千歳の滞在時間が7時間くらいは取れるので最低一回は北海道でご飯が食べられるプランになります。
NRT-CTSは国際線航空券の国内線部分として発券、運賃4に該当で
- 区間基本マイレージ 510マイル
- クラス・運賃倍率 100%
- 路線倍率 2倍
- 搭乗ポイント 0ポイント
→1020pp
CTS-NGOはプレミアム旅割28で航空券を取れば運賃2なので
- 区間基本マイレージ 614マイル
- クラス・運賃倍率 125%
- 路線倍率 2倍
- 搭乗ポイント 400ポイント
→1,935pp
料金は28,310円でした。
運賃は、
NGO-NRT-SIN、SIN-NRT-CTSで124,880円
CTS-NGOで28,310円
合計:153,190円
ppの方は、、、
386+5,368+5,368+1,020+1,935=14077pp
pp単価は約10.9円です。単純なSINタッチより下がっていますが、新千歳で遊ぶことができる旅程。二回こなせば、28,154ppでこちらも少し目標ppに届きませんが、国内線区間がアップグレードできれば足りる計算です。成田に早朝に到着する便はNGOへの乗り継ぎが悪いので、ぎりぎり乗り換え可能な新千歳便を無理やり詰め込みました。ターミナル1内での乗換で、荷物をピックアップしなくていいのならたぶん間に合うはずです。
フライトは以下の通り
- NGO-NRT 14:40-15:55
- 成田空港乗り換え、2時間
- NRT-SIN 18:05-00:15
- シンガポール24時間滞在
- SIN-NRT 00:35-8:45
- 成田空港乗り換え、1時間
- NRT-CTS 10:00-11:45
- 新千歳滞在8時間
- CTS-NGO 19:40-21:25
最後に
ということで実際のフライトまで検証してみましたが、やっぱり費用面の方が気になります。マイルも使ってしまったので、SKYコインで運賃の充当もできない状態です。しかしながらSFCの取得とは別に、来年の特典航空券のフライトの前にプレエコか、アップグレードしてビジネスのシートにも乗ってみたいなぁーというのが本音です。
なんだかんだ言って、こうやってフライトの検索をしてる時間が一番楽しかったりするので、飛ぶにしても飛ばないにしてもpp単価を計算しながらフライト計画を立てるのも悪くなかったです。
以上、SFCのメリット・デメリットの再確認とSFC修行プランのシミュレーションでした。
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