マイルは相続できる? 意外と知られていないマイル相続に関する規約

陸マイラーをやっている毎月マイルをコツコツと貯めていきますが、貯めたマイルは死んでしまったときにはどうなるのでしょうか。

お金や不動産や株式などの財産は死んだ場合は相続できますが、マイレージというものがどうっているか、についてはあまり知られていないと思います。

そこで、この記事ではマイルの相続に関することを解説します。



マイルは相続できる

実はANAマイレージクラブの規約にもJALマイレージバンクの規約にも会員が死亡した場合の記載がきっちりあります。

規約の記載を見ると条件はありますが、マイルを相続できるようになっています。

ANAマイルの場合

ANAマイレージクラブ会員規約の中に、会員が死亡した際のことが書かれています。

以下、21条 会員の死亡より抜粋。

会員が死亡した場合、法定相続人は、会員が取得していたマイルを、所要の手続きが完了した時点で有効な範囲で承継することができます。その際、当該法定相続人は、故人である会員のマイルの相続権を有することを証明する書類を弊社に会員の死亡後6カ月以内に提示する必要があります。相続の申し出が前記の期間内になされない場合は、当該会員の積算マイルはすべて取り消されます。

死亡してから6か月以内に相続権を有することを証明する書類を提示すれば相続可能になっています。

逆に言えば、何も手続きしなければそのまま失効するということになります。

相続権を有することを証明する書類とは?

一般的に、相続の際に相続権があることを証明するための書類は、亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの戸籍謄本と相続人の戸籍謄本になります。

JALマイルの場合

JALマイレージバンクの規約では会員の死亡についての条項はありませんが、合算不可の条項の部分に死亡した際のことが書いてあります。

以下、JALマイレージバンク一般規約第14条 合算不可 より抜粋。

積算されたマイルを会員間で共有、合算および譲渡することはできません。ただしJALFCおよびJALカード家族プログラム登録会員は、そのプログラムの特典として、特典の引き換え時に限り、登録している家族会員間で積算マイルを合算することができます。また会員が死亡した際、法定相続人は所定の手続きにより会員のマイル口座に残る有効なマイルを相続することが可能です。

所定の手続きを行えば、相続することが可能という記載があります。

規約には所定の手続きについては明確な記載もなく、期間も記載がないのでANAよりも融通が利くのかもしれません。

とはいえ、会員が亡くなったことと相続人であることの証明は必要になりますので、ほぼANAと同じ手続きになることが予想されます。



ほとんどのポイントは相続できない

ANAとJALのマイルは相続できる規約になっていますが、一般的なポイントはどうなっているかというと、実は規約には明確に記載がないものが多いです。

楽天ポイントとTポイントについては、会員が死亡した場合の手続きに関する明確な記載が見つけられませんでした。

dポイントに関しては、dポイントクラブ会員規約に記載がありました。

以下、第8条 (会員資格の喪失事由等)より抜粋。

dポイントクラブ会員が以下の各号のいずれかに該当するときは、会員資格を失うものとし、dポイントクラブ会員が保有するdポイントはそれぞれ当該各号の定めに従い取扱うものとします。
(1) dポイントクラブ会員と当社との間の対象回線契約が解約され、かつ、解約後にdポイントクラブ会員がdアカウントを保有しない場合
解約時点でdポイントクラブ会員が保有するdポイントは直ちに失効するものとします。なお、解約後においてもdポイントクラブ会員が dアカウントを保有する場合はこの限りではなく、当該dアカウントにおいて会員資格を維持し、解約時点で保有していたdポイントを引き継ぎます。また、dポイントクラブ会員がポイント共有グループ加入していた場合は、当該ポイント共有グループを構成する全てのdポイントクラブ会員のポイント提供対象サービスが解約された時点で、当該保有するdポイントが失効するものとします。なお、代表会員が回線契約を解約する場合において、当該代表会員が代表会員以外のdポイントクラブ会員から次の代表会員を指定することなく解約した場合はこの限りでなく、全てのdポイントが失効します。
(中略)
(5) dポイントクラブ会員に相続事由が生じた場合
第1号に規定する取扱いに準じます。

第5号に相続事由が生じた場合は第1号に準ずるとなっています。

第1号には、ただちにポイント失効するという記載もありますが、dポイントクラブ会員がポイント共有グループに入っていた場合は、構成員の全員がポイント提供サービスを解約するまで失効しないということになっています。

そして最後に、次の代表者を指名することなく解約した場合はこの限りではない、とも記載があります。

なので、家族間でポイント共有のサービスを利用しており、何らかの形で次の代表者が明確になっていれば、家族にはdポイントが引き継がれることになります。

 

永久不滅ポイントも死亡について記載が永久不滅ポイント規約にあります。

第 14 条(権利喪失及び利用停止)
本会員が次の各号のいずれかに該当した場合、本会員は保有するポイント並びに商品との交換及び合算に関する一切の資格を喪失するものとします。
(1)退会、カードの有効期間満了、会員資格の取り消し等本カードの会員資格を喪失した場合
(2)死亡した場合

残念ながら死亡すると交換や合切に関する一切の資格を喪失すると記載されています。

なお、永久不滅ポイントには同居の家族なら合算できるサービスがあるので、死亡する前に登録しておけば、家族側にポイントを逃がすことは可能と思われます。

譲渡できるポイントなら生前に譲渡すればOK

マイルやポイントは相続不可でも譲渡可能なものもあるので、生前に譲渡しておけばポイントの相続で失効するということを防げます。

まとめ

マイルの相続について、解説しました。

ANAのマイルもJALのマイルも所定の手続きを行えば相続が可能になっています。

マイルは他のポイントと使い勝手も違いますが、規約にしっかりと相続に関することの記載もされており、他のポイントとは違ったマイレージの独特の奥深さがあるように感じます。

相続するという機会はめったにありませんが、マイルは相続できるということは頭の片隅に留めておいても良いかもしれません。



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