ANAマイレージクラブの中にプレミアムメンバーという制度があります。
ANA便やスターアライアンス便の搭乗で貯まるプレミアムポイントでステータスが決まり、ステータスに応じたサービスが受けられるようになっています。
スタータスは、ブロンズメンバー、プラチナメンバー、ダイヤモンドメンバー、の三種類で前年のプレミアムポイントに応じてステータスが決定されます。
最近メディアなどでも取り上げられるようになったSFC修行はANAのプラチナメンバーを目指すものです。
プラチナメンバー以上になるとSFC(スーパーフライヤーズカード)の発行が可能となり、ほぼプラチナステータスと同じサービスが、SFCを所有し続けるだけで受けられるようになります。
SFC修行に代表されるステータスを得るための修行というのが有名になってきたこともあり、ANAやJALなどのステータス制度については比較的有名です。
しかし、これとは別にANAマイレージクラブでは「ミリオンマイラープログラム」というものが存在しています。
目次
ミリオンマイラープログラムとは?
ANAの公式ページのミリオンマイラープログラムに関するページには以下のように記載されています。
ANAマイレージクラブご入会からの総飛行距離“ライフタイムマイル”の実績により、
生涯にわたって特別なお客様としておもてなしする、「ミリオンマイラープログラム」をご用意しております。
いままでも、これからも、ANAとお過ごしいただく時間に感謝を込めて。
ANAマイレージクラブに入会してからの総飛行距離の実績でステータスを付与してもらえるという制度です。
LTマイルは毎年更新されるものではなく、ANAマイレージクラブに入会してからの累積になるため、SFC修行でのプレミアムポイントのように一年にまとめて集めるようなものではありません。
50万LTマイル以上から、LTマイルに応じたオリジナルネームタグが貰えます。
また、100万LTマイル以上からは特典は付いてくるため、実用上役に立つのは100LTマイル以上からになります。
100万LTマイル以上での特典
100万LTマイル以上での特典は以下の二つです。
- 生涯にわたるマイルの有効期限の延長
- スーパーフライヤーズカードへのお申し込み
いずれの特典もANAを利用している人からすれば、非常にうれしい特典です。
特にマイルの有効期限が生涯にわたって延長される、つまりマイルが失効することがなくなる特典は陸マイラーからしても失効のリスクなくマイルを貯められる素晴らしい特典です。
ANAのマイルの有効期限は基本的に3年となっており、マイルを貯めても使うタイミングを逃すと失効するリスクがあります。
ANAのダイヤモンドメンバーになればマイルの有効期限がなくなりますが、ダイヤモンドメンバーのステータスがなくなると、やはりマイルの有効期限が3年になってしまいます。
このため、100万LTマイル達成によるマイルの有効期限がなくなるのは大きなメリットと言えます。
二つ目の特典もSFC修行することなく、SFCに入会することができるようになるため、有用そうに見えます。
しかし、プラチナメンバーになるよりも100万LTマイルの方が大変なので、「おまけ」みたいなものだと思っていただければよいと思います。100万LTマイル到達の大変さは後ほど紹介します。
200万LTマイル以上での特典
200万LTマイル以上になると100万LTマイルの特典に加えて以下の特典が追加されます。
- 生涯にわたる「ANA SUITE LOUNGE」のご利用
200万LTマイル達成でANAスイートラウンジが利用できるようになります。
これも嬉しい特典で、ANAスイートラウンジを利用しようと思うと、ANAのダイヤモンドメンバーになるかファーストクラスに搭乗する必要がありますが、ANAグループ便に搭乗の際はいつでも利用できるようなるわけです。
とはいえ、200万LTマイルレベルになると毎年ダイヤモンドメンバーを継続できるレベルと言ってもよいので、実はこれも「おまけ」レベルなのかもしれません。
100万LTマイルを貯めるのは、どれくらい大変なのか?
マイルの有効期限がなくなるなら、100万LTマイルを貯めたいと思われるかもしれませんが、通常のステータス修行とは比べ物にならないほど大変です。
LTマイルはANAマイレージクラブに入会してから搭乗した「区間基本マイレージ」の合計になります。
プレミアムポイントのように区間倍率で増えたり、搭乗ボーナスのような制度はないため、純粋に飛んだ距離の合計がLTマイルになります。
例えば、SFC修行に利用される「羽田-那覇」の区間基本マイレージは984マイルなので、「羽田-那覇」片道で984LTマイル、往復で1,968LTマイルが貯まることなります。
100万LTマイルを「羽田-那覇」の往復だけで貯めようと思うと、なんと509往復も必要になります。国内線は距離も短いのでLTマイルを貯めるのも大変です。
国際線になれば長い区間もあります。例えば、「羽田-ニューヨーク」の区間基本マイレージは6,723マイルなので、「羽田-ニューヨーク」片道で6,723LTマイル、往復で13,446LTマイルが貯まることなります。
100万LTマイルを「羽田-ニューヨーク」の往復だけで貯めようと思うと、75往復も必要になります。
国内線に比べれば往復回数は少ないですが、この区間を毎年2往復しても38年かかる計算でANAを長年ヘビーユーズしていないと100万LTマイルの到達は難しいものとなっています。
SFC修行は羽田-那覇9往復で解脱できることを考えると、LTマイル修業はそれとは比べ物にならない異次元の修行と言ってもよいでしょう。
なので、狙って100万LTマイラー(ミリオンマイラー)になるというよりは、長年に渡ってANAの利用頻度が非常に高い人に向けた特別な制度である、という印象です。
ライフタイムマイルのタグは400万LTマイルまである
100万LTマイルですら到達するのが困難な領域ですが、オリジナルネームタグはなんと400万LTマイルのものまであります。
400万LTマイルは緑色のタグになっております。空港で見かけたら、この人は凄いANAを利用している人だと一目で分かりますが、所有している人がそもそもどれくらいいるのかは非常に気になる点ではあります。
ANA+パートナー航空会社の100万LTマイルのタグもありますが、こちらは100万LTマイルのみで特典もありません。
LTマイルは特典航空券でも積算できる
100万LTマイルの特典は魅力的ではありますが、到達するのは非常に困難です。とはいえ、ステータス修行のように一年間に集中的にやる必要はないので、気長にLTマイルを貯めればいつか到達する可能性もあります。
そして、ANA「ミリオンマイラープログラム」におけるLTマイルは、「特典航空券」でも貯まります。なので、ANAのマイルを貯めて特典航空券でANA便を多く利用している方にも100万LTマイルのチャンスがあります。
有償の航空券の場合は、通常のマイルやPPの付与に合わせてLTマイルも積算されますが、特典航空券の場合は搭乗しただけではLTマイルは付与されず、搭乗後の事後登録が必要になります。
特典航空券でANA便を利用した場合は、ANAマイレージクラブの会員サイトから事後登録してLTマイルを貯めましょう。
陸マイラーを続けていれば、いつの日か100万LTマイルになるかもしれませんし、ANA便で飛んだ距離も分かるので、「フライトの証」にもなると思いますので、是非事後登録でLTマイルを貯めてみてください。
LT200万は同じ業界に何人かいますが、いずれも海外学会に呼ばれまくるすごい人、ばかりです。
LT200万レベルの方になるとまさに雲の上の人ですね。